現在、愛知県では地域医療再生計画が推進されている。その一つとして掲げられているのが、小児周産期等医療体制の構築だ。これは、子どもを安心して育てられる環境づくりと、子どもを安心して産める環境づくりであり、小児救急医療を充実させる方針が取られている。そして、救急医療体制の構築は、緊急性の高い疾患に対応可能な医療機関を中心としたネットワークを作り、併せて在宅療養患者を受け入れる病床を増加させる計画だ。急性期治療を終えた患者が転院などを経て、地域で安心して医療を受けられる体制が構築されつつある。
そのほかには、精神医療体制の構築が計画されており、精神身体合併症の対応が可能な医療機関の確保と、精神科救急医療体制のネットワーク化を図る予定だ。また、高齢化が進んでいるため、認知症の早期診断や継続的治療を行う専門医療機関を中心としたネットワーク化も進められる。これらの施策を推進するにあたり、看護体制も見直され、看護師の需要も高まる見込みだ。
この計画の中には、女性医師や看護職員確保対策の施策も盛り込まれている。平成23年度のデータでは、看護師の需要人数が69,327人に対して、実際の供給人数は65,147人と典型的な看護師不足だ。この事態を受けて、愛知県では看護師養成施設を作るとともに、看護師の離職防止、再就職支援の活動を行っている。特に、新人看護師の離職率が8パーセントであることを踏まえ、現場での実習指導者の質を高める対策を実施中だ。
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